新川電機株式会社

大西 徹弥

ST製品企画部...もっと見る ST製品企画部

第五回は、新川電機でラインナップしているもう一つのワイヤレスシステム「ZARK & Machine Dossier」をご紹介します。

冒頭には、ワイヤレス振動センサ ZARKの実機をお見せしながら、「ZARK & Machine Dossier」の概要や特長など本コラムの内容を説明した動画をご用意しましたので、是非コラムと併せてご覧ください。

ワイヤレスシステム「ZARK & Machine Dossier」ご紹介動画


ZARK & Machine Dossierの概要と特徴

クラウド型モバイル振動監視システム「ZARK & Machine Dossier」は、2.4GHz無線LANを使用したワイヤレス振動センサ ZARKと、クラウドを利用した振動傾向管理システム Machine Dossierで構成されています。(図1)

図1 システム構成

ZARK & Machine Dossierは、測定した振動データをAWS(アマゾンウェブサービス)に格納し、専用のソフトウェアは不要でGoogle Chromeなどのブラウザで専用サイトにアクセスすることで振動データの確認ができます。インターネットの環境があれば現場だけでなく外出先でも対象機械の状態をすぐに把握することが出来るため、少ない初期投資で簡単に振動監視を始めることが出来るシステムです。

ZARK

ワイヤレス振動センサ ZARKは、2.4GHz無線LANユニット、3軸のMEMS加速度センサ、リチウムイオンバッテリーを内蔵したセンサ部と、アクセスポイント情報などを記憶しているタグ情報付き台座(RING)で構成されています。

図2 ワイヤレス振動センサ ZARK

ZARKは加速度振動と速度振動のデータを収集しており、監視目的に合わせて簡単に切り替えることが出来ます。また、対象機械ごとに最適な収集周期を設定できるようにデータの収集周期は変更できるようになっています。更にデータ収集周期以外にも、アラーム閾値を超えた場合には、アラーム発生のタイミングで振動データ、アラーム情報、アラーム発生時のスペクトルデータを送信する仕組みとなっています。特にスペクトルデータについては、正常な状態では送信せずアラーム状態のみ送信するデータであり、振動解析が必要な時に必要なデータを送信する工夫をしています。

センサ部とRINGは強力なマグネットで接続されており、バッテリーの充電等で本体を交換するときに簡単に脱着することが出来ます。RINGに無線アクセスポイントの情報を保存している為、一度アクセスポイントの設定をすれば本体を交換しても再設定の必要はなく、すぐにデータ収集が可能です。この他に、振動だけでなく温度や圧力などのプロセス信号を最大8点まで入力可能なZARK X8をラインナップしています。

Machine Dossier

Machine Dossierは、クラウドシステムを使用した傾向管理システムであり、PCやタブレット、スマートフォン上のWeb画面を通じてZARKからのデータ管理を行います。データは関係するすべての人に共有することが出来ます。Machine Dossierには、対象機械の状態を把握する状態監視画面と、対象機械に何か気になることがあった時の情報発信、記録、管理を目的としたSpark画面などがあります。それぞれの画面例を図3、図4に示します。

図3 状態監視画面

図4 Spark画面

状態監視画面には、ZARKから送信された振動データを監視するトレンド画面や、バッテリー残量、通信状態などZARK自体の状態を監視する画面、アラームの閾値を設定する画面などがあります。アラームの閾値はISO規格に準拠した値を自動的に設定することが出来るため、今まで振動監視をしていない回転機械に対してもすぐに監視を始めることが可能です。

Spark画面は、監視をしている対象機械に対して何か気になることがあった場合に「いつ」「どの機械で」「どんなことが気になるのか」を、ZARKからのデータだけでなく写真や文書、ビデオクリップ、音声ファイルなど対象機械に関わる様々なデータと合わせて投稿することが出来ます。また、Machine Dossierにアクセスすることができる関係者はこの投稿を共有し、コメントを残すことにより、チームワークで問題解決にすばやく動くことができます。

図5 問題解決までのイメージ

開発中! 新シリーズZARK Nano

最後に、現在開発している新シリーズ ZARK Nanoを少しご紹介します。ZARK Nanoは、現在ラインナップしているZARKと比べ性能向上と小型軽量化を実現するセンサです。ZARKの特徴であるデータ収集周期以外におけるアラーム発生のタイミングで振動データやスペクトルデータを送信する仕組みを継承し、更に振動波形のデータを送ることで、より詳細な振動解析を可能とします。

現在開発を進めており、リリースの際には改めて新川タイムズでご案内します。

最終回となる次回(第六回)は、ワイヤレスシステムの導入事例をご紹介します。