2017/09/05 業界コラム 杉田 美保子 スペインには無い日本の魅力 No.2 スペイン語通訳・翻訳 / スペイン語講師 杉田 美保子 スペイン・バルセロナ滞在27年を経て、2015年に帰国。...もっと見る スペイン・バルセロナ滞在27年を経て、2015年に帰国。 石川県金沢市でスペインの生活や、スペイン語の楽しさを細々と伝授中。「故郷」バルセロナとはリモートでの繋がりが中心となっている中、余暇に畑を耕したりしながら、日本の生活も楽しんでいる。 京都のバルセロナ文化センターのスタッフとしても、どのようにしてスペイン語の面白さをみなさんに伝えられるか、日々模索中。 スペインの教育文化スポーツ省認定のスペイン語能力試験 DELE の C1(上級)所持。 かれこれ 30 年前にスペインに渡ったわけですが、日本を懐かしいと思った点がいくつかあります。その後、慣れてしまえばスペインの生活になんら不便は感じなくなるのですが、それでも日本に帰ってきてありがたいな、感心するな、ということがいくつかあります。多分、この一年ほどの間に書かせていただいたコラムの中に度々織り交ぜてきたとは思うのですが、ここでダイジェストにご紹介していきたいと思います。 スーパーマーケットが 24 時間開いていること商店の開店日時を取り決める法律は、マドリードとバルセロナでは異なるため、実際のお店の開店日程などは異なるのですが、バルセロナでは通常日曜日にスーパーマーケットが開くことはありません。また、日曜日はお仕事が休みのため漁師さんは漁に出ないため、新鮮なお魚が入荷しません。ですから、月曜日がお休みの魚屋さんが大多数です。そのため、土曜日の午後になると買い忘れが無いかどうかのチェックや、21 時の閉店までに買い物を済ませなきゃ、などストレスに感じることが多かったものです。 日曜日はスーパーも閉まってしまう。このスーパーは月から土の 9:00 から 21:15 だ開くと、平日はこんな感じその点、日本には 24 時間買い物のできるスーパーマーケットがあり、びっくりしました。 夜中に「あ、ケーキを作りたかったのに、材料を買うのを忘れた〜」なんて言う時に、買い物ができちゃうなんて、ありがたいものですよね。ただ、スペインに 5 年も住んだ頃には、いくらスーパーマーケットで買い忘れがあったとしても、冷蔵庫にあるもので食事の支度をするなんてことは朝飯前になりますが。 電車やバスの遅滞がほとんど無いこと「日本の鉄道ダイヤは、世界一正確だ」、と言っちゃいます。なにしろ、秒刻みとも言えるダイヤの正確さには脱帽です。これが、レールを走る列車だけならば特に不思議はないのですが、都市間を結ぶ高速夜行バスでさえほぼオンタイムで到着するのですから、感動しない外国人は皆無でしょう。私の住む金沢の町は、道が入り組んでいるためか、狭いからなのか、停留所の配置がとても複雑です。兼六園を通過するバスは「兼六園下・金沢城」というバス停に止まるのですが、同名の停留所が五つある、ということで観光客にはハードルが高いのです。 蛇腹で繋がった長いバス。停留所は一つで、たくさんのバスが止まるその点、バルセロナの場合は一つの停留所にたくさんのバスが止まるので、わかりやすくなっていますね。一応、時刻表も貼ってあります。でも、こんなにたくさんのバスが止まるのでは、通勤通学ラッシュ時にはどうなるのでしょうか。 昔は走ってくるバスの頭についている行き先と番号を遠目で見て、「あ、私のバスが来た」と人をかき分け乗車準備をしたものですが、最近では写真のように「○○番はすぐ来ます」や「○分で来ます」という電光掲示板が出るようになったので、それぞれ譲り合いながら乗車ができるようになったのはありがたいです。 また、地下鉄のホームには、『あと○分○秒で次の電車が到着』という表示が出るので、便利になったのですが、発車・到着時刻の時刻表というのは存在しません。 バス時刻表はあるものの、電光掲示板の方がより正確トイレが多い昔、『日本はお茶を飲む国で、お茶に含まれる利尿作用のためにトイレが近いのだ。そのためトイレが多いのだ』、と聞いたことがあります。嘘か誠かはここでは追求しませんが、確かにお手洗いの数は、日本がダントツトップです。スペインでは大型商業施設、デパート、ガソリンスタンドにはトイレがありますが、街角の公園の中や、個人商店でトイレが使える、というのはごく稀です。知っておいていただきたいことには、バルセロナの地下鉄の駅にはトイレがない、と言うことですね。まして、お手洗いへ行くのに料金を払う、と言うのも、日本にはあまり無い習慣ですね。お金を払うとトイレットペーパーを数 10 センチ渡される、というシステムや、使用後にお金を置いていく、など場所により違います。 トイレが清潔スペインでは、便座除菌クリーナが設置されているトイレは、まずありません。 ということは、便座に座るのが憚られる、と言うのが実情です。場末である必要はないのですが、かなりの確率で便座も蓋も付いていないトイレにお目にかかります。そうです。スクワットが苦手だと、女性はトイレにさえ困るのです。外出先では中腰で用を足すのが日常となっていた身には、日本のトイレは素晴らしい! 一体、何人の外国人が日本のトイレについている様々なボタンを押したことでしょう! 日本を訪ね、金沢に立ち寄った友人たちは、トイレで必ず驚き、いつまでたっても出てきません。ちなみに、どこのトイレにも見ることが多くなった洗浄機付トイレは、日本以外ではポピュラーではありません。 [日本に来た友人にトイレの話をすると、「写真あるよ」と言われた。やはりすごいらしい]付かず離れずの飲食店サービス30 年前に渡西して、語学学校で学生生活を始めたのですが、クラスの後に友達と待ち合わせてお茶を飲み、おしゃべりを楽しむ、というのも語学上達の早道です。ユーロ導入前のスペインの物価は、毎年 3 パーセントの物価上昇率ではありましたが、今より随分安かったので、テラスでお茶、は決して贅沢ではありませんでした。カタルーニャ広場にある老舗の喫茶店《チューリッヒ》のテラスは、待ち合わせ場所として有名ですが、あまりの忙しさにウェイターが注文を聞きにくるのに非常に時間がかかります。初めてテラスに座り、注文を聞きにくるまで 15 分以上かかった時には、イライラとストレスで腹が立ったものですが、物は考えようです。15 分して誰も来なければ、『無料で町の中心部のテラスで椅子に座って休憩した』、と思えば腹も立たぬというものです。座ったら 10 秒もせずお水とおしぼりの出てくる日本の喫茶店は、これまた世界一と言えるでしょう。また、日本のファミリーレストランの『呼び鈴を鳴らすまで誰も来ない』、というサービス、これはこれで、気に入っているシステムです。 この呼び鈴の発祥の地はどこなんでしょうね? テラスに座ると、中にいるサービス係からは目が届かないのかも。太陽の国だからこそできるテラスでの食事 兼六園は、青葉が生き生きとした夏を終え、秋の様相になって来ました。 夏の間に成長した松を剪定する作業が 9 月 1 日午前 9 時から始まっています。もちろん紅葉にはまだ早いのですが、トンボがあちこち飛び始めました。萩もあちこちに咲き始めています。10 月の初めには中秋の名月を愛でる夜間開園も企画されています。10 月、11 月の行楽シーズンに向け、少しずつ衣装替えを行っているところです。 ぜひ、ご来園くださいませ。 では、来月もここでお会いしましょう。ありがとうございます! ¡Muchas gracias! [ムーチャス・グラシャス、どうもありがとう] 「あんやと(ありがとう)」という金沢弁は、最近ではあまり聞かなくなっています。 この記事に関するお問い合わせはこちら 問い合わせする スペイン語通訳・翻訳 / スペイン語講師 杉田 美保子さんのその他の記事 2024/03/12 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.16 2024/01/10 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.15 2023/12/12 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.14 2023/11/14 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.13 2023/10/11 業界コラム スペインの知られざる文化 No.65 2023/09/12 業界コラム スペインの知られざる文化 No.64 2023/07/11 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.12 2023/06/13 業界コラム スペインの知られざる文化 No.63 2023/05/09 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.11 2023/04/11 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.10 2023/03/14 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.9 2023/02/14 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.8 2023/01/11 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.7 2022/12/13 業界コラム スペインの知られざる文化 No.62 2022/11/08 業界コラム スペインの知られざる文化 No.61 2022/10/12 業界コラム スペインの知られざる文化 No.60 2022/09/12 業界コラム スペインの知られざる文化 No.59 2022/08/09 業界コラム スペインの知られざる文化 No.58 2022/07/12 業界コラム スペインには無い日本の魅力 No.6 2022/06/14 業界コラム スペインの知られざる文化 No. 57 2022/05/11 業界コラム スペインの知られざる文化 No.56 2022/04/12 業界コラム スペインの知られざる文化 No.55 2022/03/08 業界コラム スペインの知られざる文化 No.54 2022/02/08 業界コラム スペインの知られざる文化 No.53 2021/12/14 業界コラム スペインの知られざる文化 No. 52 2021/11/09 業界コラム スペインの知られざる文化 No. 51 2021/10/12 業界コラム スペインの知られざる文化 No.50 2021/09/14 業界コラム スペインの知られざる文化 No.49 2021/07/13 業界コラム スペインの知られざる文化 No.48 2021/06/04 業界コラム スペインの知られざる文化 No.47 足立 正二安藤 真安藤 繁青木 徹藤嶋 正彦古川 怜後藤 一宏濱﨑 利彦早川 美由紀堀田 智哉生田 幸士大西 公平䕃山 晶久神吉 博金子 成彦川﨑 和寛北原 美麗小林 正生久保田 信熊谷 卓牧 昌次郎万代 栄一郎増本 健松下 修己松浦 謙一郎光藤 昭男水野 勉森本 吉春長井 昭二中村 昌允西田 麻美西村 昌浩小畑 きいち小川 貴弘岡田 圭一岡本 浩和大西 徹弥大佐古 伊知郎斉藤 好晴坂井 孝博櫻井 栄男島本 治白井 泰史園井 健二宋 欣光Steven D. Glaser杉田 美保子田畑 和文タック 川本竹内 三保子瀧本 孝治田中 正人内海 政春上島 敬人山田 明山田 一米山 猛吉田 健司結城 宏信 2024年4月2024年3月2024年2月2024年1月2023年12月2023年11月2023年10月2023年9月2023年8月2023年7月2023年6月2023年5月2023年4月2023年3月2023年2月2023年1月2022年12月2022年11月2022年10月2022年9月2022年8月2022年7月2022年6月2022年5月2022年4月2022年3月2022年2月2022年1月2021年12月2021年11月2021年10月2021年9月2021年8月2021年7月2021年6月2021年5月2021年4月2021年3月2021年2月2021年1月2020年12月2020年11月2020年10月2020年9月2020年8月2020年7月2020年6月2020年5月2020年4月2020年3月2020年2月2020年1月2019年12月2019年11月2019年10月2019年9月2019年8月2019年7月2019年6月2019年5月2019年4月2019年3月2019年2月2019年1月2018年12月2018年11月2018年10月2018年9月2018年8月2018年7月2018年6月2018年5月2018年4月2018年3月2018年2月2018年1月2017年12月2017年11月2017年10月2017年9月2017年8月2017年7月2017年6月2017年5月2017年4月2017年3月2017年2月2017年1月2016年12月2016年11月2016年10月2016年9月2016年8月2016年7月2016年6月2016年5月2016年4月2016年3月2016年2月2016年1月2015年12月2015年11月2015年10月2015年9月2015年8月2015年7月2015年6月2015年5月2015年4月2015年3月2015年2月2015年1月2014年12月2014年11月2014年10月2014年9月2014年8月2014年7月2014年6月2014年5月2014年4月2014年3月2014年2月2014年1月2013年12月2013年11月2013年10月2013年9月2013年8月2013年7月2013年6月2013年5月2013年4月2013年3月2013年2月2013年1月2012年12月2012年11月2012年10月2012年9月2012年8月2012年7月2012年6月2012年5月2012年4月2012年3月2012年2月2012年1月2011年12月2011年11月2011年10月2011年9月2011年8月2011年7月2011年6月2011年5月2011年4月2011年3月2011年2月2011年1月2010年12月2010年11月2010年10月2010年9月2010年8月2010年7月2010年6月2010年5月2010年4月2010年3月2010年2月2010年1月2009年12月