高感度で応答速度の優れた赤外線検出素子である「InSb(インジウムアンチモン)」を搭載し、フルフレーム(640×512 画素)で 200Hz(オプション装着時は 355Hz)、ウィンドウイングモードで最速 5000Hz と、クラス最高レベルの超高速撮影が行えます。これにより、タイヤやブレーキディスクなどの回転体の温度変化や、エアバッグ爆発の瞬間などの高速現象を捉えられるほか、パルス加熱等による熱の移動を捉えることで素材内部の欠陥を検出する、などの非破壊検査が行えます。

また、豊富なレンズバリエーションを用意しており、顕微鏡レンズ装着時には最小 5μm の空間分解能で微小物の温度計測を非接触かつ高精度に行えます

InfReC インフレック H9000(Thermo HAWK サーモホーク)

特徴

トンネル内の剥離(左)と漏水(右)

冷却型赤外線検出素子による優れた基本性能

最も高性能な赤外線検出素子のひとつである 『InSb (インジウムアンチモン) センサ』 を搭載。640×512 画素の高解像度と温度分解能 0.025℃ の高感度で、ハイ・コントラストかつ高精細な熱画像を取得できます。

例えば、日光が当たらないトンネル内でわずかな温度差を検出するコンクリート内壁面剥離診断などで威力を発揮します。

・測定波長:2μm~5.7μm
・温度分解能:0.025℃(at 30℃ 画質改善なし)

・画素数:640×512 画素

高速現象を撮影可能なクラス最速のフレームレート

フルフレーム(640×512 画素)で200Hz、オプションで 355Hz の高速撮影が可能です。さらに、ウィンドウイングモードにより、最速 5000Hz(640×2 ライン)の超高速撮影が可能となります。

高速に回転する自動車のブレーキやタイヤの正確な熱分布の撮影、エアバックの展開試験における温度計測などで威力を発揮します。

・フルフレーム時:200Hz(640×512 画素)オプションで最大 355Hz

・ウィンドイング時:1070Hz(160×128 画素)

・ラインスキャン時:5000Hz(640×2 画素)

・最小積分時間:最速 1μs

エアバック爆発の瞬間(左)/ ブレーキ操作時(中央)/ 走行中のタイヤ(右)

一瞬の現象を逃さない、多彩な同期収録機能

ロックイントリガ出力

外部機器制御用の同期信号出力により、撮影フレームと同期を取りながらフラッシュランプなど他の設備を連動させることが可能です。ソーラーパネルの品質検査や、金属の熱ストレス評価など、微小な熱変化を観測する場合に有効です。

外部トリガ入力機能

外部機器からのパルス信号入力と同期した計測が可能です。複合材料の接着異常や水の浸入検査など、短時間のパルス状の熱負荷を与えた直後の温度変化を計測する「アクティブ・サーモグラフィ法」や、タイヤなどの回転体の回転数と同期計測を行う場合などで有効です。

複数レンジ同時計測機能

最大 3 レンジの温度計測を同時に行うことが可能です。急速に温度変化する現象や、広いダイナミックレンジを必要とする測定で、レンジ切り替えせずに広い温度範囲をリアルタイムに計測することが可能です。

目的に合わせて最適なレンズが選べる豊富なレンズバリエーション

6 種類のオプションレンズをラインナップしました。特に、近接拡大レンズや顕微鏡レンズはワーキングディスタンス(WD:レンズ先端から対象物までの距離)が長く設計されており、実験用の空間を広く確保できます。

基板実装部品や MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスなどの微小物の計測から、構造物や路面診断など広範囲の計測、ロケット燃焼試験のような遠距離の計測まで、豊富なレンズオプションで様々なシーンに対応します。

1200℃ までの高温レンジを標準搭載、オプションで 2000℃ までレンジ拡張が可能

溶接温度のモニタ、ダイキャスト金型温度監視など、高温対象物の温度計測が可能です。 より高温の計測が必要な場合は、2000℃ レンジの追加が可能です(オプション)。

特殊計測用フィルタ(オプション)を用意、その他、様々なカスタマイズにも対応

火炎越し計測、火炎計測、ガラス越し計測、ガラス計測用フィルタにより、特殊計測に対応します。 また、特注フィルタやレンズ、温度レンジ・積分時間の最適化などのご要望にも柔軟に対応いたします。

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メイン画面

仕様(抜粋)

 項目  仕様  備考
 基本性能  検出器 InSb(インジウムアンチモン)二次元センサ
 検出器冷却方式  スターリングクーラー方式  平均故障時間:10000時間
 測定波長 2~5.7µm
 測定温度範囲  -10℃~1200℃  オプション:2000℃レンジ
 温度分解能  0.025ºC at 30ºC
 温度精度  ±2℃ or 2%  環境温度:10~40℃において
 検出器画素数  640(H) x 512(V)画素
 測定視野角  21.7º (H) x 17.5º(V)(標準レンズ搭載時)
 空間分解能 0.6mrad(標準レンズ搭載時)
 測定距離範囲 30cm~∞(標準レンズ搭載時)
 フォーカス  マニュアル  オプション:電動フォーカス
 フレームレート  200Hz(フルフレーム)、570Hz(320×256)、
1070Hz(160×128)、5000Hz(640×2)
・最大フレームレートは積分時間に依存
・オプション:355Hz(フルフレーム)
 カメラ
インターフェース
 Gig-E/USB ・USBはコマンド送受信のみ
・オプション:10Gig-E(最大355Hz)
 トリガ  入力1ch、外部同期収録用入力(TTL)
 その他  AC電源  AC100~240V
 消費電力  45W Typ.
 外形寸法  約244mm(H)×120mm(W)×160mm(D)
(突起部、レンズ、グリップ含まず)
 質量  3.3kg(Typ. レンズ含まず)
 動作環境温度/湿度  -20℃~+50℃、90%RH以下(結露しないこと)
 保存環境温度/湿度  -40℃~+70℃、90%RH以下(結露しないこと)

※記載の仕様は改善のため予告なしに変更する場合があります。

「InfReC (インフレック)」は「Infrared Camera」(赤外線カメラの意味)を略した造語であり、「赤外線(Infrared)の情報(Information)を記録する装置(Recorder)」と言う意味を併せ持ちます。