公益社団法人 日本伝熱学会 会員

園井 健二

当社 技術顧問...もっと見る 当社 技術顧問

先月号のコラムでは、大根おろしの食物酵素でココナッツオイルを分解し、 腸内の悪玉菌を殺菌する方法をご紹介しました。

ところで、腸内フローラを善玉菌優勢にする上で、発酵食品が有効です。 納豆、味噌や漬け物など、日本は世界一の発酵食品の豊富な国です。 今回は、麹菌で発酵させたあま酒を用いた「ココナッツオイルあま酒」を ご紹介します。

ココナッツオイルの殺菌力と生きた麹菌の働きで、腸内の細菌バランスを 整え、ダイエット効果もあります。

また、あま酒のブドウ糖とココナッツオイルからできるケトン体とでは 体に吸収するのに時間差があり、夏バテ防止効果も持続します。

あま酒の酵素でココナッツオイルを分解

ココナッツオイルを分解する脂肪分解酵素は、50℃ 前後でもっとも活性が高いのですが、 タンパク質分解酵素も活用するため、発酵温度 45℃ であま酒をを作り、麹菌も生きている 状態で摂取します。

◎発酵温度について(目安)

 最適温度  タンパク質分解酵素  脂肪分解酵素  糖化酵素
 あま酒  60℃  ×  ×  ◎
 50℃  ×  ◎  ○
 45℃~40℃  ◎  ○  ○
 塩麹  35℃  ○  –  –
 低温  –  –  –

◎器具と発酵方法

ご家庭にある炊飯器が利用できますが、日常的に使用されているという事情があります。

以前紹介した専用の「かもしこ」が便利ですが、現在、人気商品で、予約待ちのようです。 発酵食品による健康法 No.4 で、下記の約束をしていますので、その結果を報告します。

次回予定の試行内容

【「かもしこ」を使わないで、普通の器具で発酵を促進させる方法】

・最初、湯煎で、40~45℃ に昇温して麹菌を「刺激」し、発酵を開始させる。

・その後、保温してゆっくり常温に戻し、2~3 日間室温で寝かせる。

鍋(ふかし器)であま酒を作る

多少、手間は掛かりますが、夏場は気温も高いので、保温が容易です。

なお、写真は、室温 10℃ の頃のものです。

1)生麹、温度計、プラスチック容器

2)指で生麹をほぐす。

3)お湯(60℃ 以下)を用意

4)お湯を注ぎかき混ぜる。
※麹と同重量のお湯

5)弱火で、湯温を45℃にする。

6)蓋をして保温する。

7)かき混ぜる。

8)湯温を測定し、湯温を上げる。
※5~8を何度も繰り返し行う。

9)あま酒の完成
※甘くなるまで、1日は必要

ココナッツオイルあま酒を作る

「あま酒」にココナッツオイルを混ぜてかき回し、冷蔵庫を入れて寝かせます。

冷凍すれば、「ココナッツオイル氷」になりますが、筆者の場合、凍らせず 「ココナッツオイルあま酒」にしています。

ココナッツオイルは 25℃ 以下になると固まって、あま酒の中で浮かんだ状態になります。

10)ココナッツオイルを用意

11)あま酒にココナッツオイルを
混ぜる

12)冷蔵庫で保存後

【引用文献および参考文献】

「健康」編集部編「ココナッツオイル氷」(主婦の友インフォス情報社 2015年7月)